あすなろ日和

お笑いなどすきなことを書く

星の子 観てきた

 予告

 

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【ネタバレあり】

映画観ない、本読まないけど感想読みた~いな数奇な人だけどうそ。


未熟児で産まれたちひろ
病気がちで何をやっても健康にはならない。
思いつめた父が試した「水」で健康になり、以来、「水」を売る宗教にのめりこんでいく…というお話。

(実際の宗教団体名を出すとよくなさそうなのでネット隠語で書きます)
おせんべいみたいに勧誘しないし、かつてあったカルトほどヤバそうでもなく。
カタログにある商品を日常的に使ったり、「水」で入れたコーヒーでは力が弱まるのでコーヒーは飲まなかったり。
同じ団体の方と仲良くしたり…と土着の信仰よりも入れ込みが多い、程度のもの。
ただ、ある日、儀式をちひろの憧れの先生に見られてしまう。
それだけでもショックなのにホームルーム中に「授業中俺の似顔絵書くな」「変な水をしまえ」だのかなり辛辣な態度。
憧れの先生も、ちひろと関係があると誤解されて噂されて嫌な気持ちになっていたせいで、しっかりとちゃんとちひろに当たってしまう。
が!ここで!
小学校からの友人が「アイツ性格悪いね」となぐさめてくれたり、クラスメイトが「先生の似顔絵じゃなくてエドワード・ファーロングです」と言ってくれたり。
同じ中学に宗教2世の子がいておしゃべりしたり。
母の兄、伯父がちひろを心配して高校は自宅じゃなく、叔父の家から通うようにアドバイスくれたり。

辛辣なのは、憧れの先生だけ。

憧れてた先生に、大好きな両親を否定され、辛くて辛くて、でも、彼女にとって両親も水も宗教もごく当たり前に、フツーに身近にあるもの。
でもそれが先生の目線を通すと「気が狂ってる」ものに見え、ショックで大泣きするちひろ

宗教に入ったおかげで年上の姉は家出するし、きれいなおうちを出てぼろい平屋に住むことになるし。
ハタから見ると、いいことなんて無さそう。だけど両親とちひろにとっては「最良の選択」と思ってる。
心配した伯父が手を差し伸べてくれるし、同団体の人も基本的にとてもいい人。
なので「カルト宗教からいかにして抜け出したか」の映画を期待してる人は期待外れだと思う。
彼らは、彼らのフツーの常識で生きているだけ。特に誰かに迷惑はかけてない。(金銭的な苦労はあるけど)

映画のオチだけど、オチらしいものは特にない。
原作も同じような感じらしく、オチを求めてる人には不満が残るかもしれない。
両親はこれからも宗教道をまい進するだろうし、ちひろも「わからないけど身近にあるものだから否定もしない」スタンス。
カルトと決別しないし、これからもその日常は続いていくだろう…みたいな感じです。
ちひろが今後の人生を歩むうち、経験や価値観が増えたときに、もしかしたら決別するかもしれないしそのままかもしれない。
15歳の少女にはあまりにも人生の選択肢がなさすぎる。

全体的な勝手な感想としては、黒木華の宗教家っぽさ、芦田愛菜ちゃんの演技がすごく良かった!
下手な人なんていなかったけど、特にその二人が印象に残った。

映画で感情を揺さぶられまくったし、私はとても面白かったので近々原作も読んでみようかなと思います。